メラトニンの副作用でうつになる?メラトニン受容体作動薬について解説
この記事では、睡眠ホルモンとして知られる「メラトニン」を含む睡眠薬やサプリを摂取したときの副作用について解説します。
寝つきが良くなり、睡眠の質が向上するとして、欧米では睡眠サプリとして人気の高いメラトニンですが、日本ではサプリメントとしての販売が禁止されています。
理由は別の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
メラトニンを服用してからの注意点など、順に解説していきます。
メラトニンとは?
脳の中心にある松果体(しょうかたい)という器官から分泌される脳内神経物質。
身体の深部体温を下げ、自然な眠気を誘い、睡眠の質を向上させる効果があります。
この効果を利用して、睡眠薬やサプリメントとしても利用されています。
メラトニンに関わる薬
メラトニンの分泌を促進する薬を「メラトニン受容体作動薬」と言います。
メラトニン分泌を促し、自然な眠気を強くすることで、睡眠障害を低減させる効果が期待されています。
主なメラトニン受容体作動薬として「ロゼレム」と「メラトベル」があります。
ロゼレム
寝つきが悪い症状(入眠障害)に対して処方されることが多い薬です。
ロゼレムの有効成分であるラメルテオンが吸収され、入眠時間を短縮する効果が期待されます。
服用してから45~60分で、効果が最も高まり、2時間後以降は徐々に効果が弱まります。
眠る1時間ほど前に服用することで高い効果を期待できます。
メラトベル
小児期の神経発達障に伴う入眠困難の改善を目的として処方される薬です。
自閉症スペクトラムやADHD、知的能力障害を持った子供は、多動や過活動により睡眠が悪化状態にある場合があります。
そうした子供に対して、自然な眠気を誘発し、睡眠リズムを整える役割があります。
ただし、メラトベルの対象は6~15歳に限定されているため、それ以外の年齢での効果と安全性は調査されておらず、成人には処方できません。
メラトニン受容体作動薬のメリット・デメリット
メラトニン受容体作動薬のメリット・デメリットについて紹介します。
- 自然な眠気による入眠ができる
- 夜中に目が覚める中途覚醒、眠った気がしない熟眠障害に対して有効
- 睡眠のリズムを整えてくれる
- 依存性が極めて低い
睡眠薬で不安なポイントとして、薬を飲まなければ寝れない身体になってしまうのではないか?という意見があります。
しかし、メラトニン受容体作動薬の場合は、あくまで自然な眠気を誘発する手助けをする役割のため、依存性は極めて低いと言えます。
- 即効性がなく、効果を実感するまでに時間がかかる
- 日中眠気が起こる場合がある
- 長期摂取時の安全性は確認されていない
飲んだ翌日から、すぐに熟睡感が得られるわけではありません。
2週間から1ヶ月程度、服用を続けると、睡眠の質の変化が感じられるため、ある程度の服用期間が必要です。
また、長期摂取時、大量摂取時の安全性は確認されていないため、用量を守って服用しましょう。
メラトニン受容体作動薬の副作用
副作用としては以下が挙げられます。
眠気を引き起こす
睡眠導入剤としても使用されていることからも分かる通り、眠気を引き起こします。
服用してから6時間以内は、運転などはしないように注意しましょう。
めまいや頭痛、倦怠感
服用した翌日などは、倦怠感や頭痛を引き起こす可能性があります。
副作用には個人差があるため、必ず起こるわけではありません。
抑うつ症状、不安、イライラ感
メラトベルは、抗うつ剤であるフルボキサミンとの併用が禁止されています。
また、メラトニンを経口摂取することで、一過性の抑うつ症状(気分の落ち込み)や不安、イライラ感が起こる可能性があります。
メラトニンでうつになる?
メラトニンのサプリや薬を利用すると、うつになってしまう可能性があるという話を聞きますが、メラトニンの摂取が直接的に関わる可能性は低いでしょう。
前述の通り、メラトニン受容体作動薬であるメラトベルは、抗うつ剤・フルボキサミンとの併用が禁止されています。
これは、メラトベルの代謝、分解に関わる肝臓の酵素をフルボキサミンが阻害してしまうためです。
よって、そもそもフルボキサミンを服用している方には、メラトベルが勧められることはあまりありません。
また、メラトニンサプリを服用することによって、一時的に気分が落ち込んでしまうことはあっても、一過性のため、服用が原因でうつになってしまう可能性は低いと言えるでしょう。
手軽にメラトニンを摂取!? 話題のメラトニングミとは?
メラトニンが睡眠に効果的なことはわかったけど、薬のようなサプリは抵抗があるという方もいらっしゃいますよね。
そんな方にオススメなのが「メラトニングミ」です。
その名の通りメラトニンが配合されたグミで、薬型のサプリメントと同様に眠りの質を高める効果が期待できます。
日本国内では前述の理由から販売されていませんが、海外では子供が寝る前に食べるサプリメントとしても普及しています。
ダルビッシュ有投手も利用していると語っており、日本が優勝を果たしたWBC2023開催中に、佐々木朗希選手にメラトニングミをあげたところ移動中ずっと爆睡していたと、自身の配信で明かしていました。
アスリートやスポーツ選手も利用しているメラトニングミは、通常のメラトニンサプリと同じように海外から簡単に取り寄せることが出来ます。
はじめてのメラトニングミに最適
アメリカ発のリラックスエイドブランドNatrol(ナトロール)が発売しているメラトニングミです。
1粒あたり5mgのメラトニンが含まれ、人工着色料、香料、甘味料は含まれていません。
フルーツ味のメラトニングミ
ミックスフルーツ味で、不要な添加物を使わず作られたグミです。
海外では子供用のメラトニングミとしても人気で、甘めで柔らかい商品です。
1粒2.5mgのメラトニンを配合
1粒あたり2.5mgのメラトニンが配合されており、毎日の摂取量を調整できます。
天然由来のいちご味で、美味しく食べやすいグミです。
まとめ
- メラトニンの分泌を促進する薬を「メラトニン受容体作動薬」という
- メラトニン受容体作動薬には、依存性が低く、自然な眠りを誘うという利点がある反面、日中の眠気や即効性がないというデメリットもある
- 副作用として、眠気、めまい、頭痛、抑うつ症状などがある
いかがでしたか?
薬を処方された場合、海外からメラトニンのサプリメントを取り寄せた場合は、副作用を理解したうえで、用量用法を守り、安全に使用しましょう。